三重県桑名市江場の大工、伊藤建築は、桧の無垢材を使い土壁・入母屋造りなど日本家屋から洋風住宅、耐震住宅・健康住宅、注文住宅、リフォームなど設計・施工いたします。

木の家づくり-天然木材の良さ

古来よりの伝承

古来日本では、堅くて丈夫で木目も美しい“ヒノキ”が建築に用いられています。日本書紀によると『須佐之男命(すさのおのみこと)が自分の髭を蒔くとスギが生え、胸毛を蒔くとヒノキが生えた。尻の毛を蒔くとマキが生え、眉毛を蒔くとクスが生えた。』とされ、木の用途については『ヒノキは瑞宮(みずのみや:宮殿)に使え。スギとクスは浮き宝(うきだから:舟)にせよ。そして、マキは棺に使え。』と伝えられています。

宮

そして、現在でも伊勢神宮などの新築には必ず“木曽ヒノキ”が使われますし、千年以上前に建立された最古の木造建築である法隆寺もヒノキ造りです。年月を経て木の油がにじみ出た独特の風情ある素晴らしい美しさと、伐採され含水率が低下することによって向上する強靭さは“ヒノキ”が選ばれる大きな理由なのです。

洋風住宅が主流とはいえ、“住むなら木造住宅がいい”と考える日本人が大半であるというアンケート結果があります。その理由としては、太古より身近にある“木”に対する感覚的・本能的理由が挙げられています。居室の床にフローリングが人気なのも、石張りやタイルより『木のぬくもり』を求めているからです。

木材のこだわり−なぜ、木造住宅がよいのか

ただし、木造住宅といってもいろいろです。食材同様に木材も大半は輸入されたマツ・シーダー・ラワン・パインですし、集成材という小径材を接着させた木材も多くみられます。また、北米で開発されたツーバイフォー工法は、柱の代わりに2×4インチを基本とする合板パネルで支える構造です。

輸入木材は港で海水に浮かんでいる間にどうしても塩分を含んでしまいます。釘・ボルトなどを用いて建築するのですから、金物が錆びて強度不足にならないように、錆びないコーティングをした金物を使用するなど、注意が必要です。また、直径の大きな丸太から製材されるものがほとんどで、芯を持つ芯持ち材と、芯を含まない芯去り材ができてしまします。国産無垢材であれば小さな製材品を除けば、一本の丸太から一本の材料を製材しますので、もちろん芯持ち材です。100%ではないにしても、芯がある木材のほうが強いと考えられる理由です。

ご存知のように、法隆寺は聖徳太子が建立されましたが、太子は佛教と建築を日本に伝えたとされ、今でも建築に関する職人に祀られています。(ちなみに、私の地元・桑名には、走井山・勧学寺の本堂横に太子堂があり、八月の十日観音の日にご開帳されます。)

木柱構造

日本の建築物は床から順に建てるのではなく、柱・梁を組み上げて屋根から作り上げていきます。あらかじめ刻みを入れた木材を次々と組み上げるのは、匠のなせる技です。屋根を最初に作るのは雨を防ぎ、内部に湿気が残らないようにするためで、日本の気候に合わせて工夫されているのです。ツーバイフォーでは1階床から壁、2階・・と工事が進みますので、屋根は最後です。もちろん、途中で雨が降れば、シミができたり、湿気が残ることも考えられますが、壁も天井もクロスを貼ってしまえば、下地がどうなっているかは確認する術はありません。個人的にはツーバイフォーも強度はあると思いますが、耐久力に疑問が残ります。

「木には二つの命がある」−木は貴重な森の贈り物

無垢材を使って、在来工法で建築する― 

ヒノキ造りの家ともなれば、坪単価は『かかるものはかかる』のです。しかし、大手ハウスメーカーの集成材を使った住宅(○○ウッドと称されているようです・・・)と比べても、トータル的な費用に大差はありません。まれに坪100万の日本家屋もありますが、平均すれば坪55〜65万。『大工さんが建てる家は高い』そういう誤解を払拭すべく、大規模なイベントや、タレントさんの起用などメーカーに負ける宣伝力をどう補うかが私たちの課題の一つです。

檜山林

木は貴重な森の贈り物です。『木には二つの命がある』と、ある棟梁から聞いたことがあります。大自然に許され山に根をおろし太く育った大木になる木の命と、木こりに切り倒され大工に柱や梁などに加工され家の材料になる木の命です。大黒柱に使われる木は樹齢が60〜80年くらいですから、築20〜30年で取り壊されていては、いずれ山に木はなくなります。現代風であろうが、純和風であろうが、大黒柱の樹齢と同じくらい60〜80年、いえ代々引き継がれる家に住んでいただきたいのです。古民家再生もその一つ・・・『“古い”と“汚い”は紙一重』と言われますが、築80年の家でも手入れをすれば古き良き家になりますし、廃材にするのではなく、リサイクルするエコの精神です。 

『普請は不思議と金(かね)がいる。だから金(きん)の財産となる。』

森羅万象の中で生かされている一人として、森からの贈り物を大切にし、一世一代の普請(個人の家を建てること)だからこそ、責任をもってお手伝いさせていただきます。

 

 

 

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